カムバック・ハム・ハンドブック
四章 開局申請   
掲載:2007年5月9日
- 簡単になりましたが、逆にとまどうかも? - 最終更新:2015年12月30日

昔に比べて申請手続きはかなり簡素化されていますが、今のやり方には逆に戸惑われるかも知れません。
順を追ってご説明させていただきます。

ご注意:以下は2007年5月時点での私の体験を基にしています。様式や方法等が変更になっている事もありますので、その点をご注意して参考にしてください。


4-1 無線局開局申請の方法

昔と違って申請方法が多様化しています。ご自身に合った方法を選んでください。
方法 情報元(クリック) 備考
行政書士さん
にお願いする

少し割高にはなりますが、行政書士さんにお願いするのも手っ取り早い方法です。従事者免許証が見当たらない、氏名が変わった、旧コールサインの証明処理がややこしい、昔の無線機で申請したい等、申請が複雑になりそうな場合は、お願いする価値はあると思います。アマチュア無線専門の杉山行政書士が有名です。
電子申請  総務省 電波利用 電子申請・届出システム Lite  総務省へ電子申請ができる様になりました。申請費用の割引もあります。自信がある方はトライしてみてください。
「総務省 電波利用 電子申請・届出システム Lite」は、ユーザID・パスワードを使ったお手軽な申請・届出方法です。
総務省 電波利用 電子申請・届出システム こちらは電子証明書(ICカード)を利用する方法です。上述のLiteが導入されてから、アマチュア無線用にはあまり使われなくなりました。
紙での申請  パソコンソフトで申請書を印刷する方法です。CQ出版社から局免印刷―PCで作成するハム局免許申請書というCD付きの本も出版されています。パソコンの知識がある方には便利かも知れません。開局後に無線機の追廃の変更申請を頻繁にされる方にはお勧めです。
開局用紙を購入して記入します。オーソドックスですが、これが一番かも知れません。「アマチュア局 個人・社団用開局用紙」はハムショップやAmazonで購入できます。
様式をダウンロード 一番安上がりです。お近くに記入方法を教えていただける方がおられるとFBかも知れません下記のリンクからダウンロードできます。
総務省 関東総合通信局
総務省 北海道総合通信局
総務省
TSS

それと、申請する無線機によって申請先と書類が変わります。
最近販売されている無線機は技適機種といって、予め総務省の技術適合証明を受けています。この技適機種のみで開局申請する場合と、そうでない無線機を含んで申請する場合で異なってきます。
申請する無線機 申請先 備考
技適機種のみの場合
(改造や付加装置を
付けた場合を除く)
管轄エリアの総合通信局 申請書の記載は簡単に済みます。最低限でしたら、A4用紙2枚と往復の封筒のみです。申請手数料(収入印紙)は、50W以下は4,300円、50W超は8,100円です。
上記以外の場合  TSS株式会社保証事業部
要は、昔のJARL保証認定をTSS社が代行されていると思えばわかりやすいと思います。上記の申請手数料に加えて保証認定料を3,700円の振込みが必要になります。
JARD  2014年11月からJARD(日本アマチュア無線振興協会)でも保証認定ができるようになりました。

まあ、変な言い方かも知れませんが、先ずは、最近の技適無線機を入手して総合通信局へ開局申請して、旧コールサインを確保されては如何でしょうか?

昔の思い入れのある無線機をお使いになりたい場合は、確認・調整も必要でしょうし、後からTSSに変更(追加)申請されたらと思います。不思議な話ですがそうする方が申請料も安くなります。(TSSの保証料は変更時は2,000円ですみますが、開局時は3,700円ですので・・・)

また、昔の無線機の技術資料が分からない等で申請が複雑な場合は、行政書士さんに変更申請(送信機追加)を代行してもらうのも一案かと思います。


<という訳で、ここでは、技適無線機のみで開局申請書を使った旧コールサイン復活希望での開局申請についてご紹介させていただきます。>

4-2 無線局開局申請前の手続き

再開局をしようと思ったものの、昔は大切にしていた従事者免許証や無線局免許状が行方不明の方も多いと思います。数十年間も持っておられる方のほうが奇特かもしれませんね。

先ず、お手元にある免許毎に、旧コールサイン復活を前提とした、無線局開局申請前の手続きを下記します。

無線従事者免許証 無線局免許状 開局申請前の手続き
行方不明 行方不明 従事者免許再交付→旧コールサイン証明書の入手→開局申請
行方不明 有る 従事者免許再交付→開局申請
有る 行方不明 旧コールサイン証明書の入手→開局申請
有る 有る →開局申請


4-2-1 従事者免許再交付手続き(紛失した場合)

もし、無線従事者免許証が見つからない場合は、先ず再交付の申請が必要です。
ハムショップかで通販で「無線従事者免許再交付申請書」という書類を購入してください。
(総務省からも申請書がダウンロードできるようになりました。)

手続きに必要なものは、

無線従事者免許再交付申請書
・ 写真1枚(縦30mmx横24mm)
・ 免許証送付用封筒(80円切手貼付)
・ 申請手数料(2,200円分の収入印紙)

です。
申請書に、「免許証の番号」の記入欄がありますが、わからない場合はブランクでOKだそうです。氏名と生年月日から、総合通信局で調べてくれます。(近畿総合通信局に確認しました。)
注意しなければいけないのは提出先です。必ず、紛失した免許証の交付を受けた地域の総合通信局へ提出が必要です。



4-2-2 旧コールサイン証明書の入手

旧コールサインを復活希望で申請するに当り、旧コールサインを証明する書類として、以下のいずれかのものが必要です。
旧コールサインの「無線局免許状」のコピー -
旧コールサインが記載された「無線局事項書及び工事設計書」の写しで電波管理局、若しくは、総合通信局の押印があるもの -
旧コールサインが掲載されたコールブックのコピー ハムショップの中には古いコールブックを保管されている所もありますので尋ねて見ては。
JARL発行の「旧コールサイン確認書」(1〜3がない場合) 「旧コールサイン調査依頼書」でJARLへ依頼。

4の「旧コールサイン調査依頼書」は開局用紙にも入っていますし、JARLの「旧コールサイン復活」のページからダウンロードできます。(下の方の「旧コールサイン調査依頼書(PDF形式)」を印刷。)

ここで注意しないといけない事は、依頼書の1項の住所欄には必ず、そのコールサインで免許を受けていた当時の住所を記入する事です。(現住所では有りません)もう、ん十年も前の事で思い出すのも大変な方もおられると思います。私の場合は40年以上も前でして、その間、引越しもしましたし、住所表記名の変更もありました。番地も思い出せません。で、依頼書には、考えられる住所を番地抜きで3つも連記しましたが、JARLからちゃんと「旧コールサイン確認書」を発行してもらえました。
(住所欄を現住所で書いても「旧コールサイン確認書」が届いたとの事例も多いそうです。コールサイン、氏名、生年月日で確認しているのでは?との見方もありますが・・・)

「旧コールサイン調査依頼書」と80円切手を貼り付けた返信用の封筒(こちらは現住所を記載)をJARLに郵送します。私の場合は投函後一週間で「旧コールサイン確認書」が届きました。

尚、前後しますが、2章でも記しました様に、旧コールサイン復活は「他の人に指定されていなければ・・・」で、2章の検索結果でOKでも100%保証はされない事をご理解くださいね。


4-3 開局申請

さあ、いよいよ開局申請です。先にも書きましたがここでは、技適無線機のみで開局申請書を使った旧コールサイン復活希望での開局申請方法についてご紹介します。以下は移動局で、電話級(現4アマ)の申請を示しますが、電信級(現3アマ)、2アマ以上の方も補足説明します。

先ず、開局用紙 をご用意ください。
ハムショップ若しくは通販でも購入できます。
また、当然の事ですが無線機が必要です。各々の無線機の取扱説明書などを参照します。

記入方法は開局用紙の「2.アマチュア局開局申請書類の書き方(技適証明)」に詳しく記載されていますが、たくさんの用紙が入っていますので、上記の申請の場合に絞り以下に整理します。
  書類名 記入箇所
無線局免許申請書
(提出書類の2頁目)
収入印紙4,300円分(50W以下。ちなみに50W超の場合は8,100円) 注:押印しない事
日付
管轄の総合通信局の名称記入
郵便番号、住所
氏名、捺印
無線局事項書及び工事設計書(表面)
(提出書類の3頁目)
1.申請(届出)の区分に”□開設”をチェック
4.の欠格事由が無ければ”□無”をチェック、
5.の”□個人”をチェック
5.の姓、名を記入(フリガナと漢字)
5.の住所を記入(フリガナと漢字)
 市町村コードは分からなければ空白で可
5.の郵便番号を記入
5.の電話番号を記入
5.の国籍を記入
8.の無線従事者免許証の番号を記入(電話級、電信級の従事者免許をお持ちの方も、免許証記載に記載された通りの番号でOK)免許証の番号はアルファベット3文字か4文字に数字が数桁のはずです
11.の無線設備の設置場所・・・は、上の住所と同じなら空白で可
12.の移動範囲は”□移動する”をチェック
13.の電波形式並びに希望する周波数及び空中線電力は無線機の取扱説明書のご自身の免許資格に従って記入 →→補足をご参照
15.の送信機の台数は台数を記入(通常は1台)
15.の備考欄余白に、「旧コールサイン希望」J***** と赤色で記入
無線局事項書及び工事設計書(裏面)
(提出書類の3頁目)
一番上列に “第  送信機”のを記入
一番上列の技術基準適合番号欄に、無線機に貼られている技適ラベルから転記
→→補足をご参照
右下から2段目の周波数測定装置の有無は”□無”をチェック
(3アマ以上の方でHFの無線機の場合は”□有”をチェック
右下の”□法第3条に・・・”にチェック
尚、送信空中線の形式は移動局の場合は空白でOKです。固定局の場合は記入必要です
旧コールサインを証明する書類 4-2-2項の1〜4 の書類の内いずれかを添付
「無線局免許状」返信用封筒 郵便番号、住所、氏名を記載
”無線局免許証票”は無線機の台数分(通常は1台)を記入
80円切手貼付
総合通信局宛ての封筒 「2.アマチュア局開局申請書類の書き方(技適証明)」の裏表紙を参照して管轄の総合通信局の住所、名称を記入
ご自身の郵便番号、住所、氏名を記入
上記1〜5の書類を入れて簡易書留で郵送

尚、無線局を開局すると毎年500円の電波利用料の請求が来ます。毎年支払うのが面倒と思われる方は、「前納申請書」(黄色い紙)を記入して同封すると、5年分一括納付(2,500円)ができます。

補足:
無線局事項書の記入例(ICOM IC-7000Sの場合):
ICOMの場合は、ホームページから取扱説明書と技術基準適合番号が確認できますので、それに従い申請書の記入例を示します。
アイコムのサポート情報ページ(アマチュア無線)→取扱説明書ダウンロード→固定機→IC-7000→ダウンロードサービスのご利用についてを読んで[同意してダウンロード]→141ページ「免許の申請について」の「第4級アマチュア無線技士のかたが申請する場合(IC-7000Sの記入例」がご参照できます。

尚、2アマ、3アマ(電信級)の場合の記入例も掲載されていますが、移動局は50Wまでですので、2アマ以上の方でもIC-7000M(50W)をご使用の場合は、「第3級アマ・・・の場合 (IC-7000Mの記入例)」になりますのでご注意ください。
技術基準適合番号:
アイコムのサポート情報ページ(アマチュア無線)→(右下)技術適合証明番号→ でとりあえずは参照できます。
尚、そのページにも記されていますように、必ず申請に使用する実機に貼られている技術基準適合証明番号をご記入ください。設計変更等により途中から技術適合証明番号が変更になる場合もあるそうですので。
開局申請郵送後、総合通信局は1ヶ月位で無線局免許状を発行するとされていますが、最近の実例では通常2〜3週間で発行されている様です。昔に比べたらずいぶん早くなったものですね。

2章でも記しましたように、旧コールサインを希望しても100%復活できるわけではありません。めでたく旧コールサインでの無線局免許状が届く事をお祈りします。

無線局免許状が届くまでの間に、次章を参考にして準備をしておきましょう。

ご注意:以上は2007年5月時点での私の体験を基にしています。様式や方法等が変更になっている事もありますので、その点をご注意して参考にしてください。
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